2020年3月28日号。<一九八二年、僕はエロ本の出版社に入った。 第五〇回「スローバラード」:東良美季>
<一九八二年、僕はエロ本の出版社に入った。 第五〇回「スローバラード」:東良美季>
おはようございます。ヨロンです。
東京都と隣接4県は、今日明日と外出自粛要請が出ています。小池都知事の会見を見ましたが、余裕のあるように見えたのは、彼女の肝が座っていたことによるものなのでしょう。
昨夜は10時過ぎに事務所を出たのですが、結構電車は混んでいました。大声で「お前は女とちゃんと付き合ったことあるのかよお」とホームで叫んでいる30代のサラリーマンらしき酔った若者たちもいて、「ロックダウン」とわざわざカッコよく言っている都市封鎖の直前とは思えない呑気さでした。
昨日、テレビや新聞では若者に伝わらないと書いたところ、都もやはりそのように考えていて、SNSで積極的に発信していくようです。
会見では「若い元気な方々がウイルスを持っているか全然わからないままに、ライブハウスなどの密閉した空間に、密集し、密接に寄り合うという3つの条件が重なると感染が広がる傾向がある」と言い切っていましたが、逆効果にしからないような気がします。
理屈ではわかります。でもエビデンス(という言い方も嫌らしいですね)を提示されたわけでもなく、若者を犯人のように言っても響かないでしょう。意識も無いのに、いきなり「お前たちが感染を拡めるんだ」と言われても「何言ってんだ?」という反応でしょう。昨夜0時近くに生麦駅のあたりを歩いたら、閉店間際のスーパーの前で、若者5人ほどがたむろして缶ビールを飲んでいました。全く危機感は無さそうです。
それでも、都がギリギリにところにいるのは間違いないと思います。
NHKの特番も見ました。日本は、患者クラスターを発見し、感染者の接触ルートを完全に把握して拡がらないようにすることで、拡大を最小限に抑えてきました。しかし、経路のわからない感染者が出てきたことで、隠れたクラスターの存在を見つけることが困難になり、爆発的感染が起きる可能性が出てきたということです。
昨日、このビデオを見ました。ニューヨークの医療現場のレポートです。
「『患者が次々と死んでいます』ニューヨーク医療崩壊の現場」
https://www.youtube.com/watch?v=pGKWARC56Ws
コロナウイルス感染は、発熱と咳、そして最近では味覚障害や嗅覚障害が出ると言われていますが、ニューヨークの病院では、腹痛を訴えてきた患者を検査したら陽性だったことがあり、交通事故で運ばれてきた患者を検査したら、陽性だったということもあったそうです。
こうなると、感染症以外の診療も医師や看護師が感染する恐れがあるということになります。これは怖い。
昭和だったら植木等なのでしょうが、今の日本で一番お呼びでない人は彼女でしょうね。
勝谷さんが官邸に行って安倍さんと話したとき、「昭恵には困っているんだ」ということも言っていたそうですが、よくこういうタイミングでぶっこんで来るなあ、と思ってしまいます。
観音さんのツイートが見事で、上手い!と思っていたらニュースに取り上げられていました。
<昭恵氏花見」がトレンドに…森友問題で自殺職員の手記公開、宴会自粛に逆行して物議>
https://www.daily.co.jp/gossip/2020/03/27/0013226718.shtml
<小説家の花房観音氏は「無邪気と呼ばれる無神経さ、ピュアと言い換えられた無知、自分のやることは善行だと信じて疑わないゆえの自由奔放な迷惑行動、自身が権力を持つことに無自覚で人を疑わない無防備さ、鈍感な人間は最強ですね」とツイートした。>
昭恵さんをよく知る人から聞いていた情報では、彼女はコロナのことは全く意識していません。花見の自粛を要請されても、自分は関係無いと思っている。最強の「私人」なのです。
安倍さんは、「(会合後)みんなで記念写真を撮影する際に、(敷地内の)桜を背景に写真の撮影をした」と言い訳したそうですが、気の毒に思えてきます。「うちの嫁がバカですみません」と謝ればいいのに、「東京都が自粛を求めている花見のような宴会を行った事実はない」という言い訳をしてしまうのです。東京都は「花見のような宴会」だけを自粛要請しているのではなく、感染のおそれがある状況にならないように要請しているのですが。
脳天気なファーストレディーを見ていると、自粛要請に従ってじっと家に閉じこもっているのがバカバカしくなってきます。
今日これから静岡の清水に行ってきます。昨夜急に決まりました。用事を済ませたら海鮮丼でも食べて帰ってくるつもりですが、帰りに熱海にでも寄って温泉に一泊すれば良かったなと、今気が付きました。もう、そんな心の余裕も無くなってしまったのかもしれません。
先週くらいから、「僕エロ」を読むと、なんだか遠い世界のような話に思えるようになっています。毎日朝から晩までコロナのニュースに浸かっている日々に慣れてしまって、全く異なる世界に見えるのでしょう。不思議ですね。
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一九八二年、僕はエロ本の出版社に入った。 第五〇回「スローバラード」
東良美季(作家)