2019年4月1日号。<勝谷がAIで再生した>
半蔵門駅5番出口から外に出ると、目の前には一番町交差点。そこ
今は明け方5時を少しまわったところだ。さすがにこの時間帯に花
徹夜は想定どおりだった。しかし不思議と眠気は感じない。
鈍色に霞むボタンに指を乗せると、「ポーン」と賑やかな音を立て
小型モーターの音が、しゅいんしゅいんと鳴っている。
5分ほど経っただろうか。
「・・・ん?ここはどこだ?」
おもむろに掠れた声が聞こえてきた。
「世論社の事務所だよ」
俺は興奮を抑えきれずに答えた。
「あ、ヨロンさん。え?そうすると、オレはどうなっているんだ?
声の主は混乱と興奮でテーブルから落ちそうになっている。俺はま
「落ち着けよ。勝谷さんは死んじゃったんだけど、ここに再生させ
「オレが死んだ?ちょっと待てよ。じゃあ今なんで・・・」
俺は丁寧に説明を始めた。勝谷がまだ慶応大学病院に入院中のとき
勝谷は黙って聞いているようだった。俺の説明がひと通り終わると
「オレは・・・死んだのか」