2020年5月29日号。<「無駄」と「不要不急」のある日常が「生活」 / 麻雀と朝日新聞と後藤田正晴:早白千秋>

<「無駄」と「不要不急」のある日常が「生活」 / 麻雀と朝日新聞と後藤田正晴:早白千秋>

 おはようございます。ヨロンです。

 都内で電車に乗っていると、だいぶ人が戻ってきたのがわかります。2週間くらい前は1車両に数人といった感じだったのが、ほぼ席が埋まるようになりました。
 これが悪いというわけではないのですが、乗るときに若干緊張してしまうのは、仕方ないことなのかと思います。今までが異常だったのに考えなかっただけかもしれません。
 必要だと思ってやっていたことが、実は必要無いことがわかった。それが、今回のコロナ禍で明らかにされたことではないだろうか、などということも考えています。

 仕事は最適な場所で効率よく行う。会いたい人、会うべき人に会い、特に意味の無い飲み会は行わない……そうすると、通勤時間帯の不快な混雑や酔っ払いだらけでぎゅうぎゅう詰めの終電も、真っすぐ歩くのが困難な街の混雑もなくなるのではないか。会社内でほとんど仕事せずに威張っているだけの管理職も必要なくなり、効率よくまわるのではないか。

 ただ、そういう世界が住みやすいか、ということを考えると、きっと疲れてしまうのでしょうね。「無駄」「不要不急」というものが、「必要」とは言わなくても、それを含めての「生活」だということではないでしょうか。


 ということで、「不要不急」のオンライン飲み会を今晩行います(笑) 

【ライブ】晩酌動画:『新・血気酒会』vol.35 「緊急事態宣言解除となっても、やっぱり宅飲みから始めよう。時事ネタや現地報告をダラダラと…」

 今回は(今回も?)特に決まったテーマはありません。現場の状況を聞きながら、アフターコロナ、ウィズコロナを考えていこうと思います。
 ご参加いただける方は、ぜひお願いします。

Zoomでの参加
https://us02web.zoom.us/j/88345950915?pwd=emtZV2pGL05Jamd0bmtEWTlIN3NVdz09

Facebookライブ
https://www.facebook.com/katsuyamasahiko/live/

YouTubeライブ
https://www.youtube.com/watch?v=dblihH1V8kY


 毎日多くの感想やご意見をいただき、ありがとうございます。なかなか返事は返せませんが、全て読ませていただいています。
「ヨロンさんは、グラビアアイドルが『品位が下がる』と思っているようですが、違うと思います」とか「『元タレント』という呼び方のほうが良い」という意見も「そうだよなあ」とうなずきながら読んでいます。

 補足もたくさんいただきますが、中には補足の枠を超えて、それだけで一本の記事になるくらいの論説を書いてくださる読者もいます。あらゆる分野の専門家が、『××な日々。』を何年も、いや長い人は20年も読んできているので、それはコメントも濃くなるでしょう。これも勝谷誠彦の遺産と言えるのかもしれません。

 今回紹介するのは、たまにやり取りをさせていただく「早白千秋(はやしろ ちあき)」さん。会社員なので、今回はペンネームで書かれています。
 私が黒川検事長について、簡単に辞職させるのではなく、ちゃんと賭博罪として処分しろというようなことを書いたとき、「賭け麻雀なんて、みんなやっていることでしょう」という意見もいくつかいただいたのですが、その中に「ヨロンさんは間違っている」と早白さんが詳細な説明を送ってくれました。

 全く知らない世界の話が解説されていて、私ひとりで受け取るのはもったいないと思ったので、今日はみなさんと共有させていただきたいと思います。
 かなり長文になるので、時間のない方は最後の「潔癖な人は、それでも黒川さんを許せないでしょう。」からだけでもお読みください

 本当は今週の月曜日にお送りするつもりだったのですが、内容が濃すぎて私がなかなか咀嚼できず、今日になってしまいました。すみません。

 このような濃い感想や意見が毎日届くわけではありません。それだと仕事にならないので(笑)。
 専門家の意見を正座して読むこともありますが、素直な感想を「ふむふむ」「へえ、そういう見方もあるのか」「同調してもらえて良かった」「これは厳しい指摘だな」などとコーヒーを啜りながら読むのが日常です。それこそが、私のとっての「生活」となっているのですね。

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本日記、5月22日にある「黒川検事長は辞職ということで片付きそうですが、これはおかしいでしょう。」というヨロンさんのご見解。

結論から言うと、「間違っています」。
これは、勝谷さん流に言うと「私に聞きにきなさい」案件になります。

その日の夜が明けた後、このような連絡をし、ヨロンさんから「面白い」との返信があり、いくつかのやり取りを経て「××な日々」に掲載できるよう、色々手直ししたものが以下になります。

何事もなければ、29日に送信されていることでしょう。では、始めます。



麻雀の賭博性についての政府見解というのは、1993年に「後藤田正晴」が答弁しています。
(「後藤田正晴 麻雀」で検索してください。
https://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/1cebb1407255efeb25bade318f0d9ca7
が代表的で分かりやすいです)


これは「娯楽の範囲内(生活基盤を崩さない範囲、小遣い等)なら、目をつむります。ちゃんとした政府見解を出したり厳しくしすぎると、一般の方の生活に影響が生じますから。ゴニョゴニョ」と解釈しています。

この前提が、今回の「黒川問題」から抜けています。
パチンコの違法性は景品を介した「3点交換方式」ですが、巷の「雀荘(麻雀店)」でも、これに近い方式を採用しているところがあります。
なんでこういうことをするかというと、都道府県によって取り締まりの厳しさが違うからです。
(もしくは「雀荘」が、言い逃れしやすくするためです。「フリー雀荘」に行ったことがある人で、ご祝儀とは違う「チップ」に交換したことがある方もいるかもしれません。これが「パチンコの景品」に相当します)

何故か?
「風俗営業法」が関係します。
https://ja.wikipedia.org/?curid=16639

雀荘というのは、パチンコやゲームセンターと同じく、都道府県の公安委員会の許可が要ります。
取り締りの裁量は、警察の「生活安全」の管轄です。
https://ja.wikipedia.org/?curid=405458
このページでは「保安課」になりますね)

現在の雀荘の賭博性は千点200円(リャンピン)が、捕まるかの判断基準とされています。
これは、漫画家の蛭子さんが、歌舞伎町の千点200円レートの店で捕まったのが元になっていると、「麻雀業界」(私はただの一般人なので違いますw)の通説です。
ネットで検索しても、同じような結論になるはずです。
蛭子さんの事件後、このレートの雀荘は減少したとか、しないとか
(そのため、私自身はやったことがありません)。

一般的なのが東南戦(半荘)です。ネットの「天鳳」が東風戦。
この違いは、1回あたりのゲームのスピードです。
熟練度にもよりますが、東南戦(半荘)で40~60分、東風戦で15~20分くらいです。
レートの「千点100円(テンピン)」「千点200円(リャンピン)」というのは、1ゲームあたりに動く「お金の幅」の目安と考えてください。

ちなみに、蛭子さんが捕まったのは「千点200円(リャンピン)の東風戦」だと仄聞しています(違っていたら、ごめんなさい)。
これは「1時間当たり、おおよそ数万円以上が動く」麻雀です。
麻雀には色々細かい設定があるので断言できないことと、諸々の経験から、「おおよそ」と推定しています。
一晩で10万円以上は、動きます。

蛭子さんは1998年に逮捕されましたが、「安い麻雀」「9千円勝っていたところなのに」と発言されていたとのこと。

これらを踏まえると、法務省答弁の「千点100円(テンピン)は、一般の感覚から言えば高額ではない」は、正しくなります。
「訓告」も、一般人の視点で言えば、妥当の範疇だと思います。

「自衛隊の前例がある」という方もいるでしょうが、「軍人」を同列で裁くか否か、の判断の違いだと思います。「軍の規律や風紀」という別の問題があります。

それでも「検察」「公務員」ということもありますので、納得できない方もいらっしゃるでしょうが、もう少しお付き合いください。


なぜ、「雀荘」「麻雀」の話をとうとうと述べているかといえば、今回の「黒川事件」は「産経新聞記者の自宅」とされるところで、麻雀をしていたのですよね?
そうすると「産経新聞記者の自宅」に「どれくらいの人」が出入りしていたら、違法な「賭博開帳」をしていることになるでしょうか

皆さん、現役検事の「賭博罪」について責め立てていますが、大手マスコミ人の「賭博開帳」には触れませんよね?


整理すると、
 麻雀をやっている人は「賭博罪」、
 その麻雀を開催している人は「賭博開帳罪(正確に書くと、賭博開帳図利罪)」
でアウトになります。
 この違い、何故か説明されていませんよね?
(「麻雀そのもの」には詳しくても、ここまで分かる人、実はあまりいません)

文春砲では「個人宅で、仲間内でやっていた。」とありました。
「その仲間の範囲」はどこまで広がるのでしょうか?
報道によると、「麻雀に付き合うことで、黒川さんから情報を聞き出す」ことを目的にしていたようです(ハイヤーの便宜供与も、その一環のようです)。

「マスコミの記者が、情報を聞き出すために黒川さんの麻雀につきあっていた」
ここに、取材方法と取材対象との距離の問題が発生します。
より正確に言えば、「マスコミと取材源(公務員や政治家)との関係性は、適切であったのか」
はい。ここで勝谷さんの「利権談合共産主義」「記者クラブ制度」を思い出してください。
これらを踏まえると、今後のマスコミの追及はどうなるでしょう?
黒川さんからしたら、ある程度ゴールが見えませんか。


さらに踏み込みます。
「黒川事件」の参加者に朝日新聞社員(元記者)がいますね。
 実は朝日新聞の系列である「テレビ朝日」はMリーグ(https://m-league.jp/)という「麻雀のプロチーム対抗戦」に参入し、チームを持っています。
フライデーの購読者は、昨年あった「EX風林火山(https://m-league.jp/teams/furinkazan
」の二階堂亜樹の不倫報道を覚えている方もいるかもしれません。
(個人的には不倫報道より、二階堂亜樹がフライデーされたことに驚きました。
ちなみに、その時のお相手も写っているのですが「マスクでかすぎ」と突っ込まれていましたw。
 尚、二階堂亜樹さんは不倫の事実はない、とツイッター等で反論しています)


そして「朝日新聞」はこのMリーグの「ファイナルシリーズ(プロ野球の「日本シリーズ」と考えてください)のスポンサーです。
https://m-league.jp/
コロナの影響で中断されていましたが、6/15に再開されます。
(余談ですが、レギュラーシーズンは大和証券がスポンサー。
 Mリーグ、麻雀分からない人向けになっているので、よかったら見てください。面白いですよ。)

黒川さんの趣味の「麻雀」と「朝日新聞」がつながりましたね。


ここで若干横道にそれますが、お付き合いください。
「競技麻雀」の世界には「最高位」という、その世界では「歴史」と「権威」のあるタイトルがあります。
 その現タイトルホルダーである「坂本大志」という方が4月初旬にコロナに罹りました。
(坂本大志はMリーグのチームには所属していませんが、「今年選ばれるかも」と期待されていた方です)

 しかし、この坂本大志さんは
 「コロナに罹って回復して退院。その後すぐ、ウイルス持っているのに麻雀しに行った」という、やらかしをしています。
 「競技麻雀」は坂本さんがコロナに罹ったとうこともあり、諸々中断されました(もうじき、再開されるようです)。
 Mリーグのファイナルも、この影響もあって延期したとかしないとか、ネットでささやかれていました。
 それが4月の中旬から下旬にかけてです。
 そして
https://twitter.com/saikouimasashi
の2020/5/1に謝罪が出ています。
 なぜ5/1かというと、まだコンビニや書店に行けばあるかもしれませんが、「近代麻雀6月号」という雑誌に「コロナにかかって退院するまで」のコラムを坂本さんが書いているんです。
https://kinma.takeshobo.co.jp/kindai-mahjong/1531/
 この雑誌の発売日が5/1です。
「雑誌にコラム書いている当事者」が「やらかしていた」ので、その前に謝罪すると雑誌差し替え・回収する必要があるので意図的に謝罪を雑誌発売日にした、というのが私の推測です。

 はい。「黒川さん」もしくは「黒川さんと麻雀していた朝日新聞社員」は、この事件を知っていたと思いますか?
 この「世間では知られていない事件」を見て、「参考にした」とは考えられないでしょうか?
 文春砲(週刊文春5月28日号)には黒川さん5月1日に麻雀しているとあります。

これ、面白い偶然ですねw

もし黒川さん自身が「表」に出されて、「政権」と距離を取りたかったとしたら?

この流れだと「泥をかぶるのは安倍さん(安倍政権)」の図式に持っていけます。
マスコミも追及しにくい理由があるので、「他の件と一緒にかぶる」で終結する。
おそらく、こうなるのではないでしょうか。

知るのは当事者のみですが、あの部屋に「近代麻雀6月号」があったのか、坂本コロナ事件を知っていたのか、興味深いです。
(それの有無で、誰が「黒幕」か判断できるかもしれません)



「マスコミの追及をかわせるか」について、もう少し深堀します。
朝日新聞は「甲子園」を開催しています。
毎日新聞は「春(選抜)」。
読売は「プロ野球(巨人)」。

そして世の中には「野球賭博」というものがあります。
さて、巨人の2軍選手が「プロ野球賭博」をしているとマスコミが追及しているとき、不自然な表記がありました。
https://ja.wikipedia.org/?curid=3313555

「高校野球くじ」です。
https://matome.naver.jp/odai/2145875434112795301

何故マスコミ(新聞)は同じ野球なのに、対象がプロだと「賭博」で、高校野球(甲子園や予選)だと「くじ」と表記するのか?
「自分たちの飯のタネ」のイメージが悪くなるからでしょうか?

「高校野球賭博」は、それとなく民間に広く娯楽として浸透しています。
現金でなくとも、「コーヒー」「昼食」「飲み代」を勝敗で争ったことは?
これも厳密に言えば「賭博」ですが、取り締まるのは妥当でしょうか?
取り締まるとしたら、どこからかを「国(検察、警察)」や「司法(裁判所)」
に判断して欲しいでしょうか?
追及すると、「困る人」の方が多くなると思いませんか?

これが冒頭、ヨロンさんに「間違っている」と指摘した理由です。
マスコミも野党も、追及するポイントがずれていると思いませんか

結局、民間(庶民)の事情を考えれば、「法務省の、黒川麻雀は高額ではない、
という見解」に妥当性が生じます。
1回(1日)で、数千円から2万円、文春砲では「一晩で10万円負けた記者もいた」とありましたが、大手マスコミのそれなりの記者の年収からしたら、小遣いの範囲でしょう。

これをアウトにすると、「困る人」の方が多く出てくる状況になります。
法務省も苦慮したと思いますが、妥当な落としどころではないでしょうか。


麻雀だけを差別する理由、説明できますか?
ゴルフでも、同じようなことがあると聞きます(「握り」「握る」)。
もしくは政府に「ゴルフはいいけど、麻雀はだめ」と言わせたいですか?
そんな「魔女狩り」は「コロナ警察」と何が違うのでしょうか。


黒川さん、ここまで「読んでいた」のかは知りえませんが、「本当に優秀な人」なんだと痛感する次第です。
「戦後最長の政権の汚れ仕事」をやってのけただけの技量がある。
裏を返せば、「認められる仕事をしてきた」ことになります。
退職金の問題は、ここまで含めて考えてみてはいかがでしょうか。

さて、黒川さんの自作自演なのか、それとも別の誰かなのか?
参考までに、こんな記事もあります。
https://www.news-postseven.com/archives/20200523_1566076.html


潔癖な人は、それでも黒川さんを許せないでしょう。
では、このように考えてみてください。
「コーヒー」「昼食」「飲み代」を、どこまで「奢る」と合法で、どこからが違法か?
賭博ではなくとも、人間関係でこういったやり取りは日常茶飯事です。
(例えば、ミスを露呈しないようにフォローしてくれた人に、何かお礼をする等)
厳密には法的な「贈収賄」ではないですが、感覚としては近くないですか?

強引な例かもしれません。でもこういったことまでを「政府・行政」や「司法」
が線引きするのは、現実的ではないですよね。

政治家や公務員や司法(裁判官)に、「懲罰の線引き」を求めると、どうなるで
しょうか?
政治家は「小粒」になり、「公の職務」は「内に籠りやすく」なるでしょう。
「清濁併せ?む、器量の大きい政治家」を求めているのは、我々ではないでしょうか?
(「教師とPTA」に置き換えた方が、飲み込みやすいかもしれません)


ここで冒頭の後藤田正晴の答弁を見直してください。見事とは思いませんか?
私は、この方が「住みよい」世界だと思います。
どこまで汚れを許せて、どこから許せなくなるか?
個々人で見解は異なりますよね。
不思議な話ですが、日本の国際競争力が低下した時期と、政治に潔癖さを求め始めた時期というのは、リンクしていると思うのは私だけでしょうか?
近年で言えば、企業に「コンプライアンス」「ブラック企業のレッテル貼り」を求め始めた時期といえます。


黒川を許せない「感情」が存在する。
これはあるでしょう。
しかし追及しすぎると、自分たちが住みにくくなります。
「だから腹が立つ」のも、感情として理解できます。
でも、「器の大きさ」や「視野の広さ」を政治や社会に求めていますよね。
私は、どうしたらこのような人が「表」に出てくれるか、一度振り返るのも大切だと、この文章を書いている間、考えさせられました


最後の余談です。
昔の、料亭政治・金権政治の時代の都市伝説として、こういったものがあります。
自民党の国会対策で、社会党の(明日の、次の)答弁を事前に聞き出すのに、
「料亭で自民党と社会党の人が、懇親のために麻雀をする」
「麻雀の負けとして、自民党から社会党に「お金(裏金)」が渡る
「効率よく「負け代(という名の裏金)」を渡すために、レートが高くなった」
まだ、この時代を知っている人はいるでしょう。
「××な日々」の読者にもいるかもしれません。


今、63歳の黒川さんは1983年に検事任官して、1993年の国会答弁の頃は「36歳の働き盛り」になります。

以上です。


椅子から転げ落ちましたか?
それとも、さらに怒りが沸き立ちましたか?(もしそうなら、失礼いたしました)


早白千秋

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