2020年5月5日号。<首相会見で求められる想像力と「新しい生活様式」 / 輝いていない日々 第34回:花房観音>

<首相会見で求められる想像力と「新しい生活様式」 / 輝いていない日々 第34回:花房観音>


 おはようございます。ヨロンです。

 昨日は銀行関係の用事があり、半蔵門の事務所に行きました。
 ポストを見たら、「アベノマスク」が届いていました。
 予想どおりの給食当番マスクで、批判するものもバカバカしいと思っていたのですが、届いてみるとなんだか嬉しいものです。「有り難い」と感謝している人もいるのでしょう。これが10億円ぐらいの予算でできていたら、特に批判も出ずに、いくつかある対策のひとつとして認められていたかな。

 行きは昼前に、京浜急行線、地下鉄都営三田線、半蔵門線と乗り継ぎましたが、自分が乗った車両は、全部合わせても10人はいませんでした。帰りは半蔵門線、都営大江戸線、京浜急行線と乗りましたが、それでも行きの倍くらいの乗客。
 これが日常になってしまうと、コロナ前に戻ったときに恐怖を感じそうです。

 京都の「ときじく」を紹介させていただいたところ、読者からの購入もあったということで、守田さんからお礼のメールをいただきました。目標金額も達成できたので良かった。私からもお礼を申し上げます。
 一点、私が勘違いしていたことがありました。「友禅染のバッグ」ではなく、「友禅作家がデザインし、プリントしたバッグ」ということで、読めばそのように書いてありました。すみません。それでも、デザインや生地、縫製もこだわりぬいて京都府内でプリントしたバッグなので、大事に使いたいと思います。


 首相会見は、皆さんどう感じられたでしょうか。
 テキスト全文は産経新聞にあります。
<政府、緊急事態宣言延長を決定 全国で31日まで>
https://www.sankei.com/photo/photojournal/news/200504/jnl2005040002-n1.html

 産経新聞は会見の全文をよく載せています。これはデジタル版だからこそできること。読みながら思い出したことがありました。
 実は、私が新聞の1面に名前を出してもらったのは産経新聞が最初で、15年ほど前でした。悪いことをしたわけではなく、選挙絡みの記事で。
 このころ、新聞の売れ行きが右肩下がりになっていて、産経はいち早くデジタル化に取り組んでいて、私も1年ほど少しお手伝いをしました。
 新聞でデジタル化が一番うまくいっているのは日経新聞。次が朝日と産経でしょうか。毎日は有料記事の見せ方で失敗している感じ。読売は最初から熱心ではありません。産経は、朝日と並んでプロパガンダ的な記事が鼻につくこともありますが、友人の記者も何人かいますし、取材の厳しさは知っているので、生き残っていってもらいたいと思っています。

 そして、緊急事態宣言を決める舞台裏は、この記事にあります。
<首相「とことんやるしかない」 検証・緊急事態延長 長期戦の覚悟訴え>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58773320T00C20A5NN1000/

 政府は何もしていなわけではなく、宿泊業や飲食店の窮状も理解し、何とか手を打とうとしていることはわかります。専門家会議は、感染症対策としての分析・意見を出してきて、政府は感染症対策そのものと経済や国民生活との間で、終息とその先に向けて検討を続けていることもわかりました。
 PCR検査が少ないのは、それが妥当だという方針のためではなく、多く検査すべきなのに検査・医療体制の準備が間に合っていないということもはっきりしました。

 首相の会見は、具体的な方針を語る前に国民の不安を和らげて次の目標に向け、希望を持たせるのが目的になるのだと思います。国民が知りたいのは、「今後、仕事や学校や生活はどうなるのか」ということであり、それに応えるべきでしょう。
 その点では物足りなさはありますが、6月以降に向けて「想像」をして対策を考えていくのは自分だたちだ、ということなのですね。

 「新しい生活様式」については、いろいろなメディアで取り上げられていました。
<「新生活様式」長丁場に備えて その詳細は 新型コロナ>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200504/k10012417781000.html

 ここでも国民が知りたいのは、「はたしてこれがどれだけ続くのか」ということなのではないでしょうか。1ヶ月?半年?1年?この先ずっと……。それによって、本当に生活が変ってしまいます。
 たとえば私も、選挙サロンなどで月に一度は5~6人のオードブルを頼みますが、今はその業者は開店休業状態。個人向けのケータリングは繁盛していますが、もともとパーティ専門の業者はかなり厳しい状況にありそうです。
 居酒屋は、テーブル配置を変えれば開店できるのだろうか。それはいつのことになるのか。観光地に人が戻るのはいつ?添乗員にとってツアーが復活するのはいつなのか。学校はどうなる?イベントはいつから再開できるのか……。

 今最も求められているのは「出口戦略」で、すべての答えを政府が持っているわけでないのはわかっているのですが、覚悟を持ち、自分で考えて対策を立てるための「指標」が欲しいのだと思います


 観音さんが、勝谷さんに似ている明石の泉市長のことを書かれていますが、次々と施策を打ち出している泉市長のような人が全国の首長となっていれば、おそらく国民の意識は大きく変ってくるのではないか。少なくとも兵庫県は、希望が持てる自治体になる。子育て政策で全国をリードする泉市長を見ていて、そう感じました。

 そして、今日はこどもの日。
 そんなことも忘れてしまっていましたが、今日は子どもたちのこれからを想像する日にしたいと思います。

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 輝いていない日々 第34回

 花房観音(小説家)

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