2009年7月5日号。<その場での責任を誰もとらないために私たちはどれほどの夢を捨ててきたことだろう>。

2009年7月5日号。<その場での責任を誰もとらないために私たちはどれほどの夢を捨ててきたことだろう>。  4時起床。  今日の東京はどんよりと曇った梅雨空だが、昨日読売テレビを出た時は肌を刺すような陽差しだった。  そこではじめて私は今年の蝉の声を聞いた。まるで梅雨があけたかのようだ。聞いた瞬間に今日もお送りする『天国のいちばん底』の光景が蘇ってきた。物語の中では少年たちは降りしきる蝉時雨の中を旅をしているところだ。  昨年のいまごろ、彼らはもう旅に出ていたっけと思って過去の物語を読み返してみると、さすがにまだでしたね。ちょっとホッとした(苦笑)。梅雨の描写が続いていた。  物語を書きながら私はずっと30年前の夏を旅してきた。振り返りながらいつも、これを書き残したらもう明日この世からいなくなってもいいと思っている。それほどに、少年のころの夏の記憶というものは、私の中ではなくてはならないも

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