2020年2月3日号。<京都市長選挙は予想どおりではあったが、オーバーツーリズムに対応できるのか / 感染症対策として手洗いがなぜ重要なのか >

 おはようございます。ヨロンです。

■注目の京都市長選挙は予想どおり現職だった

 注目の京都市長選挙は、現職の門川大作氏が予想どおり当選となりました。
門川大作 210,640 当選
福山和人 161,618
村山祥栄 94,859

 投票率が5ポイントほど伸びたのに、門川氏は得票を4万票ほど減らしている(前回は254,545票)ので、やはり激戦だったと言えるでしょう。

 今回は、自公に加えて立憲・国民・社民(ともに府連)も相乗りとなった現職に、れいわ新選組と共産党が推薦する新人、そして市議会議員で地域政党代表だった最年少の新人との三つ巴となりました。

 途中、門川陣営が共産党を激しく非難する広告を出し、そこに推薦人として名前が出た人物から「そんな記事は承認していない」と抗議を受けましたが、特に大きな波乱は無く、現職が順当に勝ったということになります。

 少し突っ込んで見てみると、3人とも公式サイトは非常に良くできています。スマホで見られることを前提とした「ランディングページ」というデザイン。動画も多用し、甲乙つけがたいものとなっていました。

門川大作
https://kadokawadaisaku-senkyo.com/

福山和人
http://www.fukuyamakazuhito.jp/

村山祥栄
https://xn--n8jdg2dtn022v15p.com/

 今回は、福山氏と村山氏の得票を足すと25万票ほどになり門川氏を抜くため、野党がまとまって候補者を一本化できたら勝てたのではないか、という考察もできます。あくまで結果論ではありますが。

 それぞれの政策を見ると、無難な項目が並んでいます。そのまま他の自治体に持っていっても使えるのではないか、といえるようなもの。
京都市が抱えている問題は何か。
私は京都市民ではなく、実情を正確に理解しているとは言い難いのですが、それでも最近は観光客が溢れて、住みにくく壊れかけているのではないかということは想像できます。
観光客が増えすぎて対処できなくなっている「オーバーツーリズム」について、真っ向から言及しているのは村山祥栄氏。ただ、公式サイトのトップページから、村山氏のこの政策までたどり着くのは少し困難です。

 市民の多くが無関心なのは他の自治体も同じですが、今回のような構図で同じようなプロモーションとなると、現職で大きな政党が支持する候補者が有利になります。
個人的には、オーバーツーリズム問題に対応できる村山祥栄氏だと思えるし、市民の生活向上をメインに考えられるのは福山和人氏だと思うので、今回の結果は残念です。門川氏では今後の京都市の変化に対応できるのか不安がある。そもそも和服姿が胡散臭いと思うのですが、多くの京都市民は違和感無いのでしょうか。だったら選挙戦でも和服で通せばいいのに。

 今年は新型肺炎の影響で、中国からの観光客が大幅に減ることが予想されます。京都府に訪れた中国人は年間138万人(2018年)。観光客全体の3割を占めています。3分の1が来なくなったとしても、40万人以上の観光客が減ることになるのです。今まで増え過ぎだったので一息つけるのだとしたら、今のうちにオーバーツーリズムへの対応をしっかりと進めておくべきでしょう。
極端な話、そのうち日本人は京都に行かなくなるではないでしょうか。

 今後は自治体だけでなく、国政でもこのように横並びのプロモーションとなったときに、どうやって飛び出すかが求められます。松田馨君やコースケなどの選挙プランナーや選挙広報のやり方が浸透し、候補者が差別化できない場合をどうするのか。議会選挙であれば、N国党のように突飛なことをやってもある程度の支持を得て当選できますが、首長選挙では無難な観せ方をしながら、強い個性も見せなければならない。それをどうするのか。
そんなことを考えた市長選挙でした。

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