2016年3月12日号。<大震災追悼式での天皇陛下のお言葉に秘められたふたつのキーワード>。

2016年3月12日号。<大震災追悼式での天皇陛下のお言葉に秘められたふたつのキーワード>。

 3時半起床。尼崎の家。
羽田発17時便に乗るので、実のところ国民的哀悼の黙祷をする14時46分は東京の家を出るまでそうは余裕がない時刻であった。しかしその前に私は入浴で斎戒沐浴をすませてから、NHKの追悼式の画面に向かい合った。
<東日本大震災5年/政府主催の追悼式>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160311/k10010439851000.html
<政府主催の「東日本大震災五周年追悼式」は11日午後、東京の国立劇場で開かれ、天皇皇后両陛下、安倍総理大臣、遺族の代表ら1000人余りが出席し、地震が発生した午後2時46分に出席者全員が黙とうをささげて哀悼の意を表しました。>
黙祷のあと、安倍晋三首相の式辞が終わると、天皇皇后両陛下が舞台の正面へと進まれた。天皇陛下のおみ足があまりあがらぬさまに、比べるのも畏れ多いことだが眠り続けている老父のことをつい思い出した。陛下のお言葉が始まった。
<政府主催の大震災追悼式での天皇陛下のお言葉>
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160311-OYT1T50156.html
<仙台平野を黒い壁のような波が非常な速さで押し寄せてくるテレビの映像は、決して忘れることができないものでした。このような津波に対してどのような避難の道が確保できるのか暗澹(あんたん)たる気持ちになったことが思い起こされます。>
リアルタイムでのこうしたお感情を表明されるというのはかなり珍しい。その時に受けられた衝撃の深さが感じられる。陛下がお言葉の中に敢えてそれを取り入れておられるのに、昨日の大マスコミはほとんど津波の映像を使わなかった。「心の痛みがぶりかえす」とか何とか言う人権屋に気をつかったのだろう。しかし、事実は事実なのである。
遺族や被災者の方々に配慮するのはもちろん大切だがあったことから目を逸らしてはいけない。その点、昨日のテレビではフジがよくやった。11時半からのニュースの中で津波の映像を流したが、その前にアナウンサーがきちんと「津波の映像があります」と告げてからのことであった。痛みを覚える方々はそこでチャンネルをかえればいい。しかし、そうでない日本人はふたたびあの光景を見ることで、感ずるものは多いはずだ。
そんなことを考えつつお言葉を聞いていたが、次の瞬間「ハッ」として背筋を伸ばした。「あの単語」が耳に入ったのだ。
<また、何人もの漁業者が、船を守るために沖に向け出航していく雄々しい姿も深く心に残っています。>
どれほどの漁業者がこのお言葉に涙し、励まされ、奮起したかは言うまでもないが、私は敢えて「あの単語」をお使いになるためにひとつの例として漁業者に託されたのではないかと感じた。<雄々しい>である。古い読者の方であればピンと来る向きもあるかも知れない。震災直後、私が「平成の玉音放送」と名付け、ありがたくもやや人口に膾炙しているが、陛下が国民に向けて話されたメッセージの中に「雄々しい」という言葉があり、私はそれについてここで言及した。思い出していただけましたか?この一節である。
「この大災害を生き抜き、被災者としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさにに深く胸を打たれています。」
そしてこれは、昭和大帝の終戦直後の御製を踏まえられたものではないかとも、私はその時に拝察して書いた。昭和21年の歌会始でお詠みになられた。
「降り積もる深雪にたえて色かえぬ 松ぞ雄々しき人もかくあれ」
ずっとひとつの糸が通っている。これこそが皇室なのである。思いつきで復興などと言ってバタバタと走りまわっている役人とは違う。悠遠の神代より「糸」はかわってはいない。こういう時だからこそ、大きく構えて大切な日本国を建て直していこうではないかと陛下はおっしゃっている気が私にはする。おそらく「雄々しく」にハッとしたのは、私を含めてごく少数の国民であったかも知れない。気づかなくて当然だ。しかし、あなたやあなたには知っておいて欲しくて、かくとりあげるのである。
もうひとつ「平成の玉音放送」と響きあう部分があった。
<このような中で、自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体関係者、さらには、一般市民が、厳しい状況の中で自らの危険や労をいとわず救助や捜索活動に携わったことに深い感謝の念を抱いています。>
これもあの時に私は指摘をした。いや、何も私が思いついたわけではなく、長いつきあいの自衛隊の多くの幹部たちから聞いたことをここに書いただけである。左巻きの圧力と怯懦な政治家によって、国軍との接触すら避けるようにされていた天皇陛下が、あの危機の中で真っ先に自衛隊の名を挙げられたのである。それが我らが10万の防人たちの、世界が驚嘆するあの獅子奮迅の活躍に火をつけたことは言うまでもない。5年目の節目にあたり、またもいくつもの頑張ってくれた組織の中の冒頭に自衛隊を陛下が挙げられたことに、あるいは涙する将兵もいるであろう。むくわれたと感じる将兵もいるであろう。
このお言葉を10万の防人を率いた君塚栄治陸将閣下に聞かせてあげたかったと私は胸が熱くなった。統合任務部隊の司令官としておそらく戦後初の「戦争」を戦い抜いた名将はそのあと陸上幕僚長となった。しかし、昨年末に亡くなられたのである。まだ63歳であった。ヴェテランとしてこれから日本国のためにさまざまな助言をいただけただろうに。
「戦死」であったと私は思う。しかしほとんどの日本人はそのことを知るまい。防人たちの活躍ぶりは記憶に残っていてもそれらすべてを率いた名将が逝去していたことを。5年という節目にどこか振り返る大マスコミがあるかと思っていたが、私の知るところ皆無であった。あるいは、と思う。天皇陛下の御心のどこかには君塚将軍のことがあられたのではないかと。まさに想像に過ぎないが。
陛下はお言葉をこう結ばれた。
<今なお不自由な生活の中で、たゆみない努力を続けている人々に思いを寄せ、被災地に一日も早く安らかな日々の戻ることを一同と共に願い、御霊(みたま)への追悼の言葉といたします。>
御霊となられた方々に、必ずやこのお言葉は届いていることだろう。そして私たちは叱咤激励されていると知らなくてはいけない。復興に直接かかわっていなくても、日本人としてそれぞれの持ち場で懸命にやっていくことを、陛下は望まれているのである。

 安保法案を「戦争法案」とかわめいている連中はどう聞くのかな。集団的自衛権というのは「おたがいさま」である。あの国難の時にアメリカはできる限りの軍事力をもって日本国を助けてくれた。もしアメリカに大災害があれば、今度は自衛隊が行くべきであろう。畢竟、集団的自衛権とはそういうものなのである。お言葉から。
<また、160を超える国・地域や多数の国際機関、また在日米軍が多大な支援に当たってくれたことも忘れることはできません。>
ここでも深いお考えが見える。在日米軍を「別格」として特に名を挙げておられるのである。自衛隊といい在日米軍といい、ちゃんと読み解けば左巻きは気が狂いそうになるはずなのだが(苦笑)。その米軍関係者からも呼応するようなメッセージがあった。
<トモダチ作戦は「義務ではなく、愛によるものだった」/元在日米軍司令官>
http://www.sankei.com/world/news/160311/wor1603110029-n1.html
<フィールド司令官は「友人、同盟国としてやるべきことをした。それはただ義務ということではなく、愛によるものだった。われわれは手助けをしただけで、真のヒーローは自衛隊だ」と話す。>
現場の声は。
<「日本人の強靱さが心に残った」/生存者捜索に当たった米救助隊が回顧>
http://www.sankei.com/world/news/160311/wor1603110039-n1.html
<ボーンさんは、「活動に関する調整が難しい国もあるが、日本の場合にはすべてが組織だっていて、切れ目のない対応が可能だった」と振り返る。
「被災しても前向きで心が折れない強靱さに強い印象を受けた」。そう語ったクライトラーさんは東北からの帰国後、当時の藤崎一郎駐米大使から隊員一人一人が受け取った手紙とメダルを、今でも宝物のように大切にしている。>
同盟とはこういうものである。天災に関しても現場の意識はこうなのだ。それが戦いとなって目の前で同志が「敵」によって攻撃されている時に、見過ごすことができますか。私は「軍人の現場の意志」としてはそれはあり得ないと思う。イラクのサマワでの同盟国ではないオランダ軍に対しても現場はそう考えていたことを、現地に行った私は識っている。戦場に行ったこともない馬鹿が「戦争法案」とかわけのわからないことを安全な国会前でわめいていることがいかに空しいか。いちど戦場に…いかんいかん。あのイラクの3馬鹿トリオのようになると、また日本国としては困ってしまう。

 拠出している分担金をやめろとはいわない。しかし「停止」して積み立てておくというのはありではないか。
<国連が慰安婦を「性奴隷制」と指摘/日本反論>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160312/k10010440431000.html
<国連のゼイド・フセイン人権高等弁務官は、スイスのジュネーブで開かれている人権理事会で10日、各国の人権状況に関する演説を行い、元慰安婦について「第2次世界大戦中の日本軍による性奴隷制度を生き延びた女性たち」だと指摘しました。
さらに、慰安婦問題を巡る去年12月の日韓両政府の合意について、「元慰安婦自身から疑問の声が出ていることが非常に重大だ」としたうえで、「勇気と尊厳を持った女性たちに手を差し伸べることが根本的に重要だ」と述べ、元慰安婦から理解を得られるよう両政府に求める見解を示しました>
むろん日本政府は反論したが、昨日になってこれだ。
<国連は11日、人権問題などの専門家らによる声明を発表し、「日韓両政府の合意は元慰安婦の要求を満たしていない」としたうえで、「十分な賠償とともに、日本政府や軍のすべての責任を認めたあいまいでない公式の謝罪が、被害者の権利を守り維持することになる」などと指摘しました。>
<人権問題などの専門家>っ誰だ。売春婦利権で食ってきた連中が、日韓の合意に困って策動しているとしか思えないし、高等弁務官クラスがそれに乗っかるというのは驚きというほかはない。ゼイド・フセインはヨルダンの王族である。アラブの連中がどれだけバンコクあたりに出かけて女を買っているのか、そして嫌われているかを教えてやろうか。そもそも日本人は国連に期待しすぎなのである。こんな奴が高等弁務官に任命される程度の組織だと冷静に見ておいた方がいい。
分担金を停止しても、馬鹿の集まりの国連では実はあまり意味がないかも知れない。意思決定機関が「軍事にかかわる核保有国の談合」しかないのだからね。むしろ、ヨルダンにカネを出しているのなら、それを止めてしまった方がいい。あとはご立派な高等弁務官の裏の顔を撮影するとかね。でも、その能力が日本にはない。売春婦開き直り問題ではプロパガンダで負けている。こういうことでも本当の情報機関が必要とわかるはずだ

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