2012年6月10日号。<中央の馬鹿はほっておいて、津々浦々から日本国のやり直し、しませんか>。

 2012年6月10日号。<中央の馬鹿はほっておいて、津々浦々から日本国のやり直し、しませんか>。  4時起床。富山県氷見市。  なんという美しさであろう。市街地の外れにある宿の、私の部屋は田園の方を向いている。  水がはられた田には、植えられたばかりの稲が短い髪の毛のようにつんつんと立っている。その土にしずまる運命を受け入れてからしばらく日にちがたったのだろう。ようやく根からこの地の滋養を吸い上げて、ピンとその葉先を天の向けているのである。  その天はと言えば、ところどころに淡い水色を見せながら、しかし多くを占める雲も決して陰性ではない。夏の訪れを予感させる力強いそれらの雲たちの影を田の水は映しているのであった。  この地ならではの重々しい家々の向こうには低い山があって、そんなに低いのにちゃんと霧をまとっているのが微笑ましい。眺めているとふもとを横切る細い道を、あっ、ヘルメットをかぶった

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