2011年8月13日号。<六甲山麓の家で朝日新聞が持ち上げた男を「これは医者じゃないよなあ」と83歳の老医はつぶやきました(笑)>。

 2011年8月13日号。<六甲山麓の家で朝日新聞が持ち上げた男を「これは医者じゃないよなあ」と83歳の老医はつぶやきました(笑)>。  4時半起床。西宮市の実家。  セミの音がオーケストラのように聞こえてくる。この山の方の家は谷に面していて川の対岸とこちら側では陽差しの加減でセミの気分が違うようなのである。その種類もいくつもあってそれらがあたかも誰かコンダクターかいるかのように鳴き交わすのだ。  83歳の老父と二人でこの家にいる。せめてお盆には亡母の仏壇の前に座ろうと帰って来たのである。父はあいかわらず千坪近い庭の手入れにいそしんでいて父子で軽井沢とここに二束三文の斜面を買っていると私は笑う。私の方の軽井沢の庭はほったらかしであって世話をする父は偉いと思う(笑)。  二人とも家の中をよたよたと歩く。考えてみれば私はもう50歳で父は83歳だ。『天国のいちばん底』で描いているようなころに父は

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