2020年4月12日号。<小池都知事が地方自治のリーダー的存在に?そしてその先は / テクノロジーにかけろ / エッセイ【一つご挨拶を】:漆嶋稔>

<小池都知事が地方自治のリーダー的存在に? / テクノロジーにかけろ / エッセイ【一つご挨拶を】:漆嶋稔>

おはようございます。ヨロンです。

 さすがの私も土日は家にいるのですが、家でのデスクワークは効率が半分くらいに落ちる気がします。なぜか考えてみると、おそらく気持ちの問題なのだと思います。
書斎のような立派なものがあれば良いのですが、ベッド脇の学習机で仕事していても、気がつくとiPadを持ってごろんと横になり、YouTubeを見ていたり漫画を見る。気分転換にリビングに行くと、やはり横になってスナック食べながらテレビを見てしまう。くつろぐ場所だった家を作業場所にするためには、まず部屋を片付けて、雰囲気をつくるところから始めないといけないですね。

 昨夜は、ライブ配信を行う仲間のオンライン会議を、株式会社ヒマナイヌの川井拓也さんが開催しFacebookで配信しました。私は自宅から1時間ほど参加しただけですが、やはり同じ境遇にいる仲間と話せるのは楽しい。
このとき使ったのは、最近オンラインミーティング用の機能を向上させたFacebookのメッセンジャーです。Zoomと同じような感じでできるのですが、外部マイクと外部カメラを選んでいても自動で内部に切り替わってしまうとか、機能的なトラブルもありました。やはり今はZoomが一番使いやすそうです。

■小池都知事が地方自治のリーダー的存在に?そしてその先は

 このところ、存在感を急速に増している小池百合子都知事。動きが鈍い政府をよそ目に、全国の自治体首長のリーダー的な存在になっています。

<小池都知事 6つの業態 施設に休業要請 協力金支払いも>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200410/k10012379661000.html

 「休業要請してその分の補償を」という声は日増しに大きくなっていて、それに少しでも応える姿勢が見えるのは大きい。私は全く小池都知事を評価しておらず、「すでに終わった」とブログに書いていたくらいですが、それでもフェロモン…ではなくアドレナリンが出まくっているようすを見ると、都民が期待する気持ちはわかります。
これは今後の予想ですが、おそらく2017年の衆院選での「排除」発言から、豊洲、オリンピックなどマイナスの要因ばかりだった小池都知事は息を吹き返し、支持率は上がるでしょう。それでもコロナの感染者ははまだ拡大を続けるので、国民の不安と不満は増大し、倒産、失業が大量に出ます。それは今後、国に向けられることになります。
全国の自治体でコロナ対策に差が出てきます。山形は県外から入ってくる人に対して検温を始めますし、独自に現金給付を行う自治体も出てきています。「国の対策を待っていられない」という雰囲気が拡がり、限られた予算の中でなんとか住民を守ろうとする自治体が続々と出てきます。
国民の不安が増大してくると、政治に対する憎悪が生まれます。麻生財務相が記者会見で、東京都の休業補償について「東京都は払うだけの資金を持っているのだろう。他の県でもそれをやれるのかという感じだ」と発言したことがニュースになっていました。安倍首相も会見で、一律給付について「私たち国会議員や国家公務員は、いま、この状況でも全然影響を受けていない。収入に影響を受けていないわけであります。」と言ったことに批判が高まっています。ビートたけしさんが「国会議員はこんなに多いんだから。半分くらい金返せ」という発言がニュースになるように、今後国会議員への批判が高まるでしょう。

 小池都知事は2016年の都知事選で、自民党の候補に選ばれず、「自民党からいじめられてひとりで頑張る」という姿勢を強調し、都民の同情・共感を得て圧勝しました。4年経ち、今度は「国を相手に都民を守ろうとしている」という姿勢を出して支持を上げ、7月の都知事選での圧勝だけでなく、次期首相も目指すといのが、今の私の予想です。

■テクノロジーにかけろ

 今日は、この状況下でいくつか出てきているテクノロジーのイノベーションを紹介します。

 日本でPCR検査数が少ないのは、検査精度が低く、実は陽性でありながら陰性の結果が出てしまう「偽陰性」によって、市中感染を引き起こす懸念があるというのが、理由のひとつになっていました。しかし、それを解決する期待が持てる製品が島津製作所から発表されました。

<PCR検査を1時間で 島津製作所、試薬キット発売へ>
https://digital.asahi.com/articles/ASN4B52PBN4BPLFA004.html
<島津製作所は10日、新型コロナウイルスの検出を大幅に短縮できる試薬キットを20日に発売すると発表した。月10万検体分を生産し、全国の衛生研究所や検査機関に販売する。5月からは海外輸出も始めるという。>

こちらはIT の話。対立とは言わないまでもライバル企業として存在しているAppleとGoogleが手を組み、コロナ感染者と近づいたという警告を、スマホを通じて知らせる仕組みを作るというもの。
技術的には可能ですが、車ですれ違っただけで検知してしまうとか、根本的なプライバシーの問題があり、効果をあげるのは難しそうです。しかし、非常事態ということでライバル企業が手を組むのは、ワクワクすることではあります。
ちなみに、私はApple信者ではありますが、それは製品開発のポリシーが好きだということで、会社としては以前一緒に仕事したときからGoogleのファンです。Googleの何が良いかは、また機会がありましたら書きたいと思います。

<AppleとGoogle、新型コロナ対策で協力。Bluetoothで濃厚接触を検出>
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1246541.html
<新型コロナウイルスは感染者との接触により伝染する可能性があり、公衆衛生機関は、感染拡大を抑える上で濃厚接触の検出・追跡が役立つ手法と提唱している。そのため、世界の主要な公衆衛生当局や大学、NGOが、オプトイン形式の濃厚接触を検出・追跡する技術を開発中だ。
AppleとGoogleは、これらの取り組みを推進するためのAPIと、OSレベルのテクノロジーから成る包括的なソリューションを確立し、濃厚接触の可能性を検出する。強力なプライバシー保護を維持しながら、同ソリューションの実装を計画する。>

もうひとつ。ヤマハはかつてのライバルメーカーだったので、あまり褒めたくないのですが(AppleとGoogleの話と矛盾しますね)、これはすごい技術です。
コロナ禍により、コンサートができなくなったミュージシャンの一部は、なんとかオンラインで同時演奏を行いたいと画策しますが、その時ネックとなるのは「遅延」です。
よくテレビで記者が海外から中継するときに、日本のスタジオと音のタイミングが合わないことがありますよね。インターネットでは数秒ではなく10秒以上のタイムラグがよくあります。これは通信のタイムラグではなく、多くの機器を経由することによる遅れなのです。
人間の耳の感覚は非常に高く、一流のミュージシャンは音の遅れが10ms(1秒の100分の1)でもわかるといいます。
数秒は起きてしまう遅延を、演奏に支障が無いくらい短くする技術というのはどういうものなのか。5Gではなく現在の4Gで解決するヤマハの技術は素晴らしい。

<ご自宅からでもみんなで合奏が楽しめる、ヤマハ オンライン遠隔合奏サービス>
https://www.yamaha.com/ja/news_release/2020/20040901/
<『SYNCROOM』は、インターネット回線を介して遠隔地間の音楽合奏を実現し、複数のユーザー同士(最大5拠点)でオンラインセッションが楽しめるサービスです。インターネット回線に繋がったご自宅などのパソコンにアプリケーションをインストールし、ユーザー登録を行うことで、合奏に適したさまざまな機能を利用してオンラインセッションを無料で楽しむことができます。>

 このように、あらゆる企業がテクノロジーを駆使して新たな可能性を見つけ出そうとしている姿は、とても頼もしく見えます。コロナ終息後に「マイナスばかりじゃなかったね」と振り返られるような動きは、これからも積極的に取り上げていきます。

では、今日も漆島さんのエッセイをお送りします。

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【一つご挨拶を】

 漆嶋稔(翻訳家)

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