2020年1月21日号。<逃亡の旅 第30回 ~神戸に逃げる~:花房観音>

おはようございます。ヨロンです。

 昨日は、15年ほど前に一緒に仕事をしていて、先日偶然再会した人が、山形県庄内地方への移住の手伝いをしているということで、その相談に見えました。昨年の参院選では酒田市には行かなかったのですが、少し思い入れもあり、打ち合わせのあとおなじみのPost食堂に行き、閉店間際まで山形の話と昔の話で盛り上がりました。

 今日の観音さんのコラムは阪神淡路大震災の話ですが、私は東北の震災のころから東京を出て地方に移住することを考えるようになりました。島が好きなので、奄美大島が良いかと考えていたところ、西日本出版の内山社長から「小豆島はどうですか?」と言われ、実際に小豆島に行ってきました。「嵐を呼ぶ雨男」の私は、高松で台風に遭遇し、フェリーが欠航となったので一日予定がずれたのですが、初の小豆島は移住先として検討したくなる島でした。島という印象が持てないほど大きかったけれど。

 阪神淡路の地震から25年。来年は東日本の震災から10年になります。首都圏直下型地震の可能性も高まる中で、もしものときに生かせてもらえたのであれば、自分の身を移す場所を考えておくのは必要なことではないか。

 国会が始まりました。テレビでは「雲隠れ4人衆」などと、「説明責任を果たす」と言いながら何も説明しない4人に密着していましたが、それは予想されていたことであり、それ以上に違和感を持ったのが、例年行われている「和装での登院」です。
 超党派の「和装振興議員連盟」のメンバーがずらりと並んで議事堂前で記念写真を撮っている様は、北九州市の派手な成人式の大人版や、入学式や入社式に付き添いで来た親がはしゃいでいるようにも見え、私の目には間抜けな画に映っていました。

 和装振興議員連盟があり、何か日本の伝統を守っていこうというのは良いし、新年初の登院で和服を着ることに目くじらを立てるのは大人げないかもしれません。それでも国会を戦場ととらえるのであれば、初日からドンパチやるくらいの緊張感で臨むべきではないのか。慣習だからといってニコニコ記念写真を撮りまくり、日本の伝統を守っているような気になっているのは、何かピントがずれているんだよなあ、と感じてしまう私が心が狭いのか。と、華やかな国会前の映像を見ていて感じたのでした。

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 逃亡の旅 第30回 ~神戸に逃げる~

 花房観音(小説家)

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