彼岸まで

彼岸まで
発売日:2007/4/20

 テレビ、雑誌コラムなどに奔走する「私」の母が死んだ。
「私」には、敏腕ネット・トレーダーでありながらも風俗嬢をしている不思議な
愛人・梨花がいる。
 粛々と、しかしどこかいびつに進行する母の葬儀のなか、母の記憶と梨花の
存在が交錯して……(「ママ。」)

 阪神淡路大震災で店も生きる希望も失った讃岐うどん店主。うちひしがれた彼
の心を前向きにさせた「チープな味」とは……。(「連絡船のうどん」)

 母の死。敬慕する先輩の死。未成年犯罪。震災。航空機事故──。
 不可避の出来事に巻き込まれてしまった人々の感覚を凝視した七つのリアルな
物語がうねりとなって驚愕のラストへと向かっていく。
 きしむ現代社会に浮かんでは消えるさまざまな鎮魂の形を、鋭利に、そして
叙情豊かに描く。

 テレビ、雑誌など媒体問わずマルチに活躍する勝谷誠彦が、圧倒的筆力をもっ
て描いた初小説集、今ここに刊行!

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