2016年7月4日号。<ダッカで殺された方々は日本の宝であった。最高の礼をもって殉国の平和戦士たちの出迎えを>。

  • <断たれた「バングラのため」 日本人7人死亡>
  • <ダッカ襲撃/テロ拡散を阻む結束を>
  • <シールズ奥田氏「私たちは別の道を行く」>

3時起床。尼崎市の家。
そうだ。日本人は怒っている。卑劣な蛆虫テロリストなどに屈するわけがないだろう。日本国の人助けの尖兵として殉じられた義士たちへの哀悼の気持ちに加えて、帝都の夜空に屹立する塔は、そう叫んでいるようにも私には思われた。よくやってくれた。
<スカイツリー、追悼の白/テロ犠牲者に思い寄せ>
http://www.sankei.com/photo/daily/news/160703/dly1607030027-n1.html


<バングラデシュで起きたテロ事件の犠牲者を追悼するため、3日夜、東京都墨田区の東京スカイツリーが白1色にライトアップされた。普段は鮮やかな色が次々切り替わる演出だが、淡く光ったままの状態に。6日午前0時まで毎晩続ける。>
犠牲者の遺族と怪我をされた方の家族の方々を乗せた政府専用機が尾翼に大きな日の丸をつけて、ダッカの空港に降り立った。
<バングラデシュ人質事件 家族など現地に到着>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160704/k10010582271000.html
バングラデシュで武装グループが飲食店を襲撃して日本人を含む22人が死亡した事件を受けて事件に巻き込まれた日本人の家族や関係者が現地に到着しました。>
<家族と面会した木原外務副大臣は面会後、記者団に対し「亡くなったすべての方々がバングラデシュのために働いていたので残念でしかたなく遺憾だとお伝えした。家族の方々は心身ともに疲労困ぱいしている様子でことばをなかなかかけることができない雰囲気だった」と話していました。>
察するに余りある。もちろんあらゆる事件事故の被害者に尊卑があるわけではない。しかし、今回亡くなった方々はまさに日本国の宝であり、家族や知人にとっては自慢すべき存在であったことが、多くの報道を通じてわかってきた。
<断たれた「バングラのため」 日本人7人死亡>
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12441378.html
<「明日から1カ月、バングラデシュに行って参ります。鉄道建設で日本がお金を出したらいくらかかるかの調査です」。「オリエンタルコンサルタンツグローバル」との関連業務で現地を訪れていた横浜市鶴見区の田中宏さん(80)は6月上旬、都内のキリスト教入門講座でスピーチしていた。>
80歳で現役で診察をこなしていた、今日も昏睡を続ける老父が重なって、私は辛くて、辛くて。それでも私の父は生きているのだ。病で倒れたのだ。異郷の地で憎むべき奴らに突然命を断たれたれたのではない。遺族のご心中たるやいかほどであろう。
<「アルメックVPI」の社員、岡村誠さん(32)は、学生時代から国際舞台での活躍を夢見ていた。
母校の千葉県立成田国際高校で英語を教えた仲澤信明さん(57)によると、物静かだが、芯が強く、自分よりも周囲のことを優先する人柄だった。「語学を一生懸命勉強していた。国際的な仕事をしようと入学して、夢をかなえたのだと思う。学校の誇りです」>
いい先生だ。こういう時に「学校の誇りです」と言える先生はなかなかいない。他の方々についても引きたいがこれくらいにしておく。記事は朝日新からだ。ぜひ今日ばかりは朝日を買って読んで下さい。電車の中ではやめた方がいい。涙が止まらなくなる。
もし政府専用機がこの方々の棺を運んで帰国するならば、羽田空港では最高の儀礼を持って迎えて欲しい。日本国の毅然たる姿勢を敵に示すならば、儀仗隊を持って弔意を尽くしたいくらいだ。犠牲者が取り組んでいたことは、バングラデシュのためではあるが、日本国のためでもある。国威を示し、友好関係を築くことで安全保障にも貢献していた。彼ら彼女らは本当の意味での「平和国家」の戦士だったのだ。
だから何らかの栄誉を追贈できないか。このことは、さる閣僚を通じて官邸に私から進言した。アホ野党が外野席から見当はずれなことをわめいているが今回、官邸は危機管理をよくやっていると私は思う。ただ、私はほめるだけではない。この意見には賛成だ。
<被害者名非公表 国民が危機感を共有すべき事態に全てを政府に任せろというのか?/社会部長・三笠博志>
http://www.sankei.com/affairs/news/160704/afr1607040004-n1.html
<バングラデシュのテロで、政府は犠牲者の氏名や年齢といった重要な「事実」を国民に公表していない。報じられているのは、全て報道機関の独自取材によるものだ。
非道なテロで命を奪われたわれわれの同胞は、発表された「男性5人、女性2人」という数字だけの存在ではない。身元が伏せられたままでは、誰がなぜ惨劇の犠牲になったのかという経緯はおろか、本当に日本人が殺されたのかということさえ検証できない。国民全体が危機感を共有すべき事態に、全てを政府に任せろということだろうか。>
その通りだ。三笠博志社会部長がこのあと書いている個人情報保護法というゴミ法律による公的機関の過剰な自粛についてもぜひ読んで欲しいが、私は別の意味から匿名に首をかしげる。先に書いた、何らかの顕彰をにも通じることだ。このまま匿名を政府が通したなら「ありがとう。日本国のためにここまでよくやってくれました。お疲れさまでした。ゆっくりと休んで下さい」私なら本当はこのあとに「かたきは必ずとりますから」と付け加えたいところだが、その顕彰もできないではないか。
本当は安倍晋三首相が、さきほどの朝日の記事にあったような、それこそ「真の個人情報」をいち早く集めさせて、追悼の言葉の中に丁寧に入れていってこそ、国民の心もひとつになり、遺族の方々もいくらかでも慰められると私は考えるのだが。これもまた「テロとの戦い」なのだ。理知的にして礼儀を重んじる日本国らしい戦いなのだ。文明の外にある野蛮なテロリストたちとの違いを見せつけてやろうではないか。これからでも遅くはない。犠牲者ひとりひとりの名前とその人生を、安倍さんの口から聞きたい。

珍しく朝日の記事をほめたので、いつもの調子に戻らなくては。今日の社説は実に恥ずかしいぞ。
<ダッカ襲撃/テロ拡散を阻む結束を>
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_gnavi
<同時に、根本原因から目をそむけてはなるまい。なぜ若者はテロに手を染めるのか。 バングラデシュでは近年、安くて豊富な労働力が外資を呼び込み、年6%台の経済成長が続いた。半面、格差が広がり、学歴があっても大した仕事に就けない若者も増えていたという。
「穏健なイスラム社会」とみられてきたこの国で、現状への不満が過激思想へと転じる下地は静かにつくられていたのだ。>
<途上国の発展の道が断たれ、若者が希望をなくせば、テロのリスクは膨らむ。貧困や格差の解消に向けて、どう世界に関与し続けるか。グローバル化時代の各国に課された宿題だ。>
朝日お得意の「貧困と格差がテロをうむ」という主張だ。あっ、ちなみにこの社説のタイトルは珍妙である。<ダッカ襲撃>って、ダッカを襲ったみたいだよ。それに<襲撃>はないだろう。たとえば「凶行」とかもっと犯罪性を明らかにしなくては。「貧困」に戻る。朝日の論説委員はどういう情報に接して書いているのかなあ。
いくつもの報道が、犯人たちは富裕な階層の出身であると報じている。これまでのテロリストも貧困層は少ない。海外で、とは留保しておく。海外で警備をくぐり抜けてテロを起こすのは、貧困のために教育もろくに受けていないような連中では無理なのだ。今回もまた大勢がイラクの爆弾テロで殺されたが、いわば自分たちのテリトリーの中で自爆テロなどをやるのならともかく。そもそもビンラディンは富豪だったでしょうよ。
ほかにもいろいろと判明してきた。ISの犯行であることをかたくなにバングラデシュ当局は否定しているが、それがかなり辛くなってきた。かの国としてはISが国内に浸透していることをどうしても認めたくないのだ。バングラの治安当局の判断にも謎が出てきた。犯人が持っていたのは拳銃で自動小銃はわずかひとつだ。あとは手製の爆発物。人質たちは撃たれたのではなく、喉などを切り裂かれて殺されている。正直いって、人質全員で犯人に襲いかかっていればどうだったかな、と私は思う。私が人質だったら、女性と老人には「伏せて」と囁いて、やっただろう。
この程度の武装に対してバングラデシュ当局はなぜもっと早く突入しなかったのか。確認ができなかったのか。犯人は「拷問」と「処刑」をしていたわけで、すぐに突入していればかなりの命は救えただろう。どうもあちら側の行動や発表には私はいささか軍事を知るものとして、謎が多い。これからもいろいろと調べていくことにする。

参院選は折り返したが、ひょっとすると自民党の地滑り的な圧勝になるのではないか。自民党が強いというよりも、野党がドツボというかアホというか墓穴を堀りまくっているからだ。これも墓穴のひとつ(笑)。
<シールズ奥田氏「私たちは別の道を行く」/「評論家は人の不幸をあざ笑って」とマスコミ批判も 民進・小西洋之氏の応援演説で>
http://www.sankei.com/politics/news/160703/plt1607030041-n1.html
<学生グループ「SEALDs」の奥田愛基氏が3日、千葉県習志野市のJR津田沼駅北口前で、参院選千葉選挙区(改選数3)に立候補している民進党現職の小西洋之氏(44)の街頭演説会の応援に駆けつけた。>
<自民党のコピー「この道を。力強く、前へ。」を念頭に「この道を力強く進まなくていい。私たちは別の道を行きます」などと述べた。>
ええ。どんどん進んで下さい。どの道かいまだに野党は示すことができていないけど。とっととアベノミクスの代案を出せよ。どんどん進んで、崖から落ちて下さい。
<また、奥田氏は「評論家の人たちは選挙の結果を待って、『ほらシールズがダメだった』とか、『野党がだらしない』とかいう準備をしていますよ。でもそれに意味があるんですか。失敗の理由を解明するだけで、人の不幸をあざ笑って解説して、コメンテーターはおかしいんじゃないですか」と話し、批判の矛先はマスコミにも及んだ。>
ははあん。坊や、負けいくさになるという気はしてるんだ。それは<人の不幸>なんだ。いやいや、私はあざ笑いませんよ。同情します。約束しよう。私は番組などではこう言います。「かわいそうだね、シールズだもの。かつや」。

昨日は所用あって明石へ行った。須磨あたりではビーチぎりぎりを快速電車は走る。海の家、泳ぐ人々。夏だなあ。平和だなあ。美しいなあ。用事を済ませてマネジャーのT-1君と魚の棚商店街へ。昼下がりだし一献やろうと。以前『カツヤマサヒコSHOW』の取材でお邪魔した「たなか屋」。
http://sake-tanakaya.com/
酒販店かつ日本酒の目利きが抜群のところに、明石の昼網であがった魚が出て来るのだから狂喜乱舞。この時刻にもう満席だが隣席のひとたちと盛り上がる。珍しくT-1君が泥酔して私を肴に言うわ言うわ。「芸人さんですか」との質問ももっともだ。
飯を食う店ではないので、帰宅して晩飯を作った。こちらの家ではやるんです。フィトチーネのパスタでワイン。もちろん自分だけのために、である。人生、愉しいなあ。