2010年10月24日号。<たまには来たくなかった場所について個人的なことで書かせてください>。
2010年10月24日号。<たまには来たくなかった場所について個人的なことで書かせてください>。 4時半起床。佐賀市。 眼下のお掘の向こう、わだかまる雲と地平の間が真っ赤に染まる。やがてそれを割って黄金の円盤があらわれるのである。ここから有明海は見えない。しかしいかにも平らな大地と浅い海との間に生まれたと感じさせる今朝の太陽であった。佐賀に来ている。 昨日は伊丹空港からボンバルディア機に乗った。悪名高い機種だが大阪から西に行くにはまことに観光バスのように素敵なのである。まだ暮れるには間があるがそれでも光は黄水晶の輝きを帯びている。その中をゆらりゆらりと飛行機は飛んでいく。 左側の席であった。眼下にやがて明石海峡の橋が見えてくる。そのむこうには淡路島がのたりとオオサンショウウオのような姿態を横たえている。はるかその先の四国ではいくつかの高い山々だけが雲の上に見える。 佐賀に近づく