2008年10月26日号。<上空から長州の海岸線をなぞりながら維新回天をした志士たちと日本国を放り投げた男のことを思う>。
2008年10月26日号。<上空から長州の海岸線をなぞりながら維新回天をした志士たちと日本国を放り投げた男のことを思う>。 4時起床。博多。 更に夜明けの遅い地にやってきた。 明けそめる前、外に出る。ホテルの近くのコンビニに行くためだ。 博多のホテルはデザインが美しいものが多い。私が泊まったここもちょっとした前庭を持ち、かつて滞在したいくつかの欧州のそれを思わせる。 宿泊客たちはまだ寝ているがホテルのスタッフの間では既に今日という日が始まっていて、明かりのついたベーカリーではパン職人たちが忙しく立ち働いているのである。入り口の掲示板には今日おこなわれる結婚式の両家の名前が列記されていて、なんとなく私の微笑みを誘う。祝福しているのではない。めでたいなと思うのである。結婚が、ではなく、人生への楽観が(嫌な奴・笑)。 空は榛色が闇を追い立てていて、空気はどこか南の湿度を孕んでいる。