2008年6月13日号。<富山、鳥取、長崎。私が愛する街は新幹線が通っていないところばかりだなあ>。

 2008年6月13日号。<富山、鳥取、長崎。私が愛する街は新幹線が通っていないところばかりだなあ>。  4時起床。富山市。  宿の窓の向こうには、まだ谷ごとに雪を残した北アルプスが見える。なんという贅沢な借景を持つ街であろう。欧州で歩いてきたいくつかの場所を思い出す。  そういえば昨夜の光景も何か欧州的だった。富山市の建築物は背が高くない。それでいてどっしりと地に根をはったようなところがある。  これは本当に建築が好きな人種が作る建物なのだ。馬鹿ほど上に伸びたがる。東京や大阪の空を見るがいい。  富山の夜は暗い。無駄なイルミネーションがないからだ。そのくせそこここに、ぼうっと温かいタングステンの灯がともっている。この雰囲気も日本離れしている。  富山は持ち家率日本一で、建築道楽の風土で知られているが、なるほどと思った。道楽という言葉は文字通り、道を楽しむのである。カネにあかせて景観を壊す

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