2019年7月1日号。<トランプ電撃訪朝は実のあるパフォーマンス/参議院選挙でブレイクする人物>

 おはようございます。ヨロンです。

 元日にこのスタイルでお送りし始めてから半年過ぎました。
 2年前の7月1日。兵庫県知事選挙が終わりました。投票日を控え、私の頭の中は8割くらいの絶望と、2割の希望で埋まっていました。最後の情勢調査結果が友人の調査会社と新聞社から知らされて、負けがほぼ確実となっていたからでした。
 勝谷さんには伝えないでいましたが、かなり不安は大きかったのでしょう。翌日の投開票日には連絡がつかなくなりました。夜8時前になってやっと連絡がつき、私が代わりに敗戦の挨拶に立ったときは、怒りというよりも情けなさと悔しさでいっぱいでした。

 途中までは手応えがあり、実際には並ぶところまでいったものの、負けてしまうと敗因を考える余裕など無く、眼の前が真っ白になってしまいます。気遣ってくれる戦友たちの気持ちが、かろうじて崩れ落ちそうな自分を支えてくれるものの、誰に何をどのように言えばよいのか、そればかり考えていました。

 あれから2年。まさか自分が今こうしてこんなことをやっているとは夢にも思いませんでした。それでも、何も無くなってしまったとしてもおかしくない状況で、こうしてつながっていられることに感謝しています。
 ありがとうございます。


■トランプ電撃訪朝の意義をどう読み解いたら良いか

 今こそ、勝谷誠彦がどんなコメントをするか聞きたかった。称賛するのか、皮肉るのか。裏の動きを推測してみせるのか。

 私は、安倍さんに対しては意図的に言及するのは避けてきました。今回のG20も、ホスト国のリーダーとして存在感を発揮しようと頑張っているのは認めたい、と思っていました。
 だから、小さなことは取り上げてきませんでしたが、大阪城のエレベーターを「失敗だった」と挨拶で語ったことに関しては、バリアフリー云々の前に、それを各国首脳の前で臆面もなく言ってしまうセンスの無さに、椅子からずり落ちそうになりました。本当に失敗だったとしても、それを言う必要がどこにあるのか。そんなコメントで、日本が文化伝統を重んじる国だとアピールできると思っていたのだろうか。

 勝谷さんは、安倍さんの都合の悪い事に関してはコメントを避けてきました。さすがに朝日新聞が森友問題でスクープを出したときには、もう政権が持たないと思い、若干弱気なコメントを出していましたが、持ち直してからは取り上げなくなりました。

 今回のトランプ大統領の電撃訪朝。舛添要一さんはTwitter
<今回の板門店での米朝首脳会談、北朝鮮の非核化、そして拉致問題の解決にどこまで寄与するのか。トランプの再選戦略のためのアメリカ有権者むけパフォーマンスなら意味が無い。>
とコメントしましたが、有権者向けパフォーマンスは当然あるでしょう。でも、意味もある。ただ、拉致問題解決に関しては、「伝えてやる」ぐらいで、結局は安倍さんが直接乗り込まない限り解決はしません。そして、その可能性はゼロに近い。

 その意味は、この解説が腑に落ちました。
<2019年6月30日「板門店・南北米三者会合」の読み方>
https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190630-00132319/
<板門店前で行われたこの会合は、立ち話に過ぎなかった上にわずか5分ほどで終わったが、今後に向けた重要な「枠組み」を作る意味を持つ。文大統領が米朝会談後に語った「今日の出会いで、朝鮮半島平和プロセスの大きな峠を一つ超えた」という言葉がそれを良く表している。
当事者三国が一同に会し話をするのは一見簡単に見えることだが、70年間誰も実現することができなかった。トランプ大統領の軽いフットワークにより、朝鮮半島問題の解決に向けた動きが立体的になっていることは評価する必要がある。>

 この歴史的会談は、トランプ大統領だからこそ実現したものです。そこに最近評価が著しく下がっている文在寅大統領が、ホストを努めることにより棚ぼた式に存在感を示すことができたので、文大統領からしたら天にも登る気持ちではないか。
 さらにトランプ大統領は、習近平国家主席とも関係改善をアピールしておいて、一気に中国を飛び越して直接北朝鮮と結びつくことで、中国に主導権を持たせない。これは評価に値するでしょう。

 ジャーナリストの高英起氏は、
<「考え方が違う」米国から文在寅氏に不快感…北朝鮮もダメ出し
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20190629-00132046/
<「思考と精神がマヒしている」文在寅氏への攻撃を強める北朝鮮
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20190630-00132163/
 と、文大統領の立場の悪化に関する記事を立て続けに出していましたが、それを吹き飛ばすインパクトがありました。

 私は、個人的には韓国と日本は友好的にならなくても良いと思っています。韓国に根強い反日思想がある限り、いくら隣どうしだとしても無理に仲良くする必要は無い。
 しかし安倍首相が、今回会話を持とうとしている文大統領を無視したのが事実だとすれば、いくら徴用工訴訟問題がこじれているといっても、外交の手段としては稚拙ではないかと思うのです。子どものケンカじゃないんだから。

 今回のトランプ訪朝で、一気に平和基調に移っていくのだとしたら、トランプ大統領にとって日本の拉致問題は重要課題ではなくなっていきます。今までは、日本がいろいろと貢いでいたので少し気を使ってくれましたが、この先米中韓の3国が中心となると、日本の入る余地はなくなってしまう。安倍さんとしては、トランプ大統領には「金委員長に会いたいと伝えてくれ」と再度言うしかなく、大統領はこういうでしょう。
「シンゾー、俺はもう言っておいたから、あとは自分で言えよ」と

 そのときに、直接会えるルートが無い日本としては、残されたのは韓国か中国に仲介を頼むことくらいで、最近中国とは近づいてきているとはいえ、今までの関係の悪さはネックになってしまうでしょう。

 今後の拉致問題解決や北朝鮮非核化に向けて、日本は難しい位置についたことになり、安倍首相のコメントは今後も実態の無いものとなる可能性が高いと言えます。それこそ舛添さんの言うところの「有権者向けパフォーマンス」。
 だから、パフォーマンスでも良いんです。実態がついてくれば。

■参議院選挙でブレイクする人物

 5月24日のメールで、
<昨夜、飲み会も終わりに近づいてきたとき、「期待できる政治家」の話になり、松田君が切り出した政治家の名前が、私がここ2週間ほど急に注目し始めた人物と同じだったので驚きました。>
と書いた後、何も言及しなかったので、いくつか問い合わせをいただきました。

 その後、実は新田哲史さんが編集長をしているアゴラで、何度かこの人物についての記事が載りました。「落ちて欲しい」というスタンスで書かれています、逆に注目度を上げてしまっています。

 それは、山本太郎氏です。

 もともと芸人で、政治家としてのスタートも反原発を旗印にして、背景に怪しい組織の噂もあったので、かなりいかがわしく思っている人も多いことでしょう。私もそうでした。
 とはいえ、私は彼がブレずに国会で孤軍奮闘している姿を、週報迂闊屋かどこかで「評価している」と書いたところ、「がっかりした」という反応があってそれ以来表に出さずに来ました。

 しかし昨年、彼の応援演説を生で、さらにここ2ヶ月ほどの彼の演説を映像で見て確信に変わりました。「山本太郎は化けるバケる」と。
 非常に説得力がある。当然、アンチの人がヤジを飛ばしたり騒いで妨害しようとするのですが、そんな人ともその場で議論して論破してしまう。勉強も良くしています。

 それでも、『れいわ新選組』などとふざけた名前の政治団体を立ち上げて泡沫候補化していく彼を見ていて、「こりゃだめか」とも思いました。やることがトリッキー過ぎる。

 彼の躍進は、集まった寄付金が2億円を超えたことでもわかります。アメリカ大統領選挙のときのサンダース現象のような盛り上がりがある。

 6月3日のメールで、私はこのように書きました。
<今回出馬予定の候補者で当選圏内にいると言われているのが
・丸川珠代(自民党)
・山口那津男(公明党)
・吉良よし子(共産党)
おそらく大丈夫だろうと言われているのが
・武見敬三(自民党)
・塩村あやか(立憲民主党)
その他の有力候補は
・山本太郎(れいわ新選組)
・水野素子(国民民主党)
・山岸一生(立憲民主党)
つまり、残り1議席を巡って3名が熾烈な戦いを強いられていたところに、維新が音喜多駿という強力候補を送り込むのです。>

 定数は6。山本太郎氏は比例で出るという噂もありますが、東京選挙区から出るとすると、今の段階ではおそらく順番としては

・丸川珠代
・山口那津男
・吉良よし子
・山本太郎
・塩村あやか
ここまでが当選圏内で、残り一議席を
・武見敬三
・音喜多駿
・水野素子
・山岸一生
で争う構図となりそうです。

 さらに、山本太郎効果は全国的なので、もし比例で出れば2議席取れる可能性もあります。

 個人的には、れいわ新選組の比例候補となった女装家で東大教授の安冨歩さんまで行くか気になるところです。
 安富さんとは、あるシンポジウムでパネラーとして隣同士になって、そのときに女装を始めたきっかけや、その考え方など聞いてからFacebookで友達となりました。

 右とか左でいうと、安冨氏は左翼となりますが、私はそういう目では見ていません。
 観音さんが幻冬舎の見城社長のことを少し批判的に書いたとき、それを「左傾化」として批判してきたコメントがありました。もちろん観音さんは右とか左とか意識して書いたわけではなく、出版社の社長が本の販売部数を公開し批判することに対して、ひとりの作家として意見を述べただけです。
 幻冬舎と比べれば象とアリみたいなものですが、それでも世論社から出した本の作者が、勝谷誠彦批判をしたとしても、出版部数を公表して批判するようなことはしません。
 その勝谷誠彦批判が的外れであれば、それはそれで反論します。

 勝谷さんは、自分で「俺は右でも左でもない」と言っていました。8月15日には靖国神社で敬礼してくるかと思えば、原発再稼働反対の抗議行動のデモに参加してもいました。「左巻きが」とはよく言っていましたが、自分がそう見られることには嫌悪感を持っていたようです。

 私は別に山本太郎氏を支持したり、その主張に共感しているというわけではありません。政策は「消費税撤廃」と「原発反対」しか知りませんし。

 それでも、右も左も超えた「山本太郎現象」と言える何かが気になるのです。
 自民党支持層からも支持が流れてきているようです。消費税撤廃と共産党のようなことを言っている山本太郎は、はたして「左」なのでしょうか。

 これからは、「右」とか「左」ではなく、「前」か「後ろ」です。

 では、良い一日を。

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