2015年2月5日号。<辛いニュースの合間に。久しぶりの私の「旅節」。気仙沼から。でも、被災地の現状も>。
2015年2月5日号。<辛いニュースの合間に。久しぶりの私の「旅節」。気仙沼から。でも、被災地の現状も>。 3時起床。気仙沼市。 鴎の方が、先であった。北に来るといつも「ああ」と感じるのだが、日の出よりもはるかに前に、しらじらとした光は満ちるのである。それを識って、鴎がまず、啼く。ややおくれてドウドウという音が響いて来る。眼下の港に居並ぶ漁船のエンジンがかかったのだ。それらに遅れて恥じたように、ようやく日輪が向かいの山の端から顔をにょっきりと出すのであった。 雪はあまりない。寒くもない。ただ、不思議な空き地が広がっている。それが4年前の惨事によるものだと、ふっとわかるまでしばらく時間がかかった自分を私は恥じるのである。 いつもと違う文体ですみません。でもね、書いてみたかったんだ。書いてみたかった、で書けることが作家のささやかな愉しみで。おつきあい願った。昔の私の本を知る人には懐かし