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4時起床。
私は医師の息子として育ってきたので、父の表情というものをいつもまのあたりにしてきた。ちいさな開業医なので、カルテや検査結果などを、私たちが「奥」といった住居部分に持ってきて、それこそ遅い夕食を(仕事終わりが当時は20時だったので、そのあとだ)摂りながら見ていたりする。
そういう時に亡父が、時に眉をひそめたり、ちいさな声で「うわあ」と言ったりすることがあった。「パパ、何なの?」と聞いても「患者さんのことだ」ともちろん答えない。だがそのあとも「これはどうするかなあ」などとぶつぶつ呟いている。父の性格からいって、患者の前ではそういう表情を見せなかっただろう。いや、症状がよくなっていれば素直に「いいですね」といったであろうし、回復可能なものならば「あの病院、行ってみますか」と告げた気がする。
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