2019年12月24日号。<心と記憶に残る映画 / 中村哲氏への旭日小綬賞と首相感謝状授与をどう見るか / N国党は方針転換したけれど>

 おはようございます。ヨロンです。今日は「耶蘇生誕前夜祭」。

 今日は観音さんのコラムの日ですが、私が確認をミスって受け取れず、今週のみ掲載が金曜日となります。楽しみにしていた方、申し訳ありません。少しお待ち下さい。

 今日は、日々いただいている感想やご意見のメールから、質問を中心に取り上げてみます。

■中村哲氏に旭日小綬賞と首相感謝状授与

 昨日「中村哲さんに旭日小綬賞と首相感謝状授与すると決定したことをどう思いますか。」というメールをいただきました。こちらですね。
<中村哲さんに旭日小綬章と感謝状授与へ 功績たたえる 政府>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191223/k10012225191000.html
<アフガニスタンで銃撃され亡くなった医師の中村哲さんに対し、政府は現地で行ってきた人道支援などの功績をたたえ、旭日小綬章と内閣総理大臣感謝状を授与することを決めました。>

 まずは素直に喜びたい。遺族にとって報われることとなるので、嬉しいことだと思います。良かった。

 勝谷さんがどう評価するかわかりませんが、長年付き合ってくると、コラムニスト的な捻った見方が多少身につくようです。全体の流れを見ていると、願わくはもう少し早く日本国として追悼の意を表明してほしかったとも思います。
 中村哲さんが銃撃されて死亡したのは12月4日。カブールの空港で行われた追悼式典では、アフガニスタンの大統領が自ら棺を担いで中村さんの死を悼みました。このとき日本は政府関係者として大使館関係者や外務省関係者も参列しています。成田空港では鈴木馨祐外務副大臣らが参列しました。
 中村さんと比較的近い外交関係者は、追悼の意を表わしていました。政府としては、これで十分だということだったかもしれません。
 それから3週間。この間、内政は不祥事続きでした。さくらを見る会問題が不完全燃焼のまま国会は閉会。消費税増税後の経済の落ち込みが確実視され、大学入試問題、秋元司衆議院議員への検察の捜査、総務省の情報漏えい……。菅官房長官は、7日に突如高級ホテル新設を目指す考えを発表したものの、被災地や関係者から批判の声が上がります。
<次期首相候補・菅官房長官が安倍首相の尻拭いで急失速。ポンコツ化してしまった裏事情とは?>
https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/2019/12/23/110410/
<「桜を見る会」スキャンダルで連日、記者の追及を受ける菅 義偉(すが・よしひで)官房長官がポンコツ化の一途をたどっている。就任以来、7年間も大過なく一日2回の定例会見をこなしてきた長官が回答に困り、生気のない表情で立ち往生する姿が目立っているのだ。>

 ここでも書かれているように、官房長官がヨレヨレになっている中で、今井秘書官を始めとする側近は、なんとか安倍首相を表に出す算段を続けます。
 今日から始まる日中韓首脳会談に先駆けて、トランプ大統領との電話会談を行いました。日中韓首脳会談では主に北朝鮮問題を話し合うことになっていて、1年3ヶ月ぶりの日韓首脳会談では、滞っている貿易問題も話し合う予定。成果はおそらくほぼ無いので、半歩前進といったところでしょう。

 下がり続けていて打開策の無い支持率を上げるには、日中韓首脳会談をきっかけに得点を重ねるしかありません。自衛隊の中東派遣を決定する中で、このタイミングで、アフガンへの自衛隊派遣に反対していた中村さんに旭日小綬賞と首相感謝状を官邸で授与すると決めた背景を、全体の流れから読み解くことが必要なのだろうと思います。

 繰り返しますが、遺族への授与自体はとても嬉しいことです。ただ、政府としての苦しさが背景に見えることも知っておく必要があると思うのです。おそらく、ここ一週間で政権支持率は少し持ち直すでしょう。

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